2018年度理事長 加藤 正文実

はじめに
室町時代より続く刀鍛冶の長男として生を受けた私は、伝統ある日本刀造りの技を継承し、真摯に日本刀と向き合う父の姿に憧れを抱き、大学在学中より修業の道に進みました。そこでは、日本刀造りの技術だけでなく、社会人としての在り方や礼儀作法など弁えて然るべきことを学びました。刀鍛冶という厳しい師弟関係のある中で修業に打ち込み、社会との接点があまりなかった私は、家族を養い、弟子を育てる責任のある立場となったことから、その責任の重さと自分の将来に対して不安を感じ、「自分を成長させるために行動を起こそう」と考え、関青年会議所に入会しました。
青年会議所では、高い志を持つ仲間や先輩から刺激を受け活動する中で、真剣に議論を交わし進めていく過程、苦しい時に支えてくれる仲間の存在、結果が実ったときの達成感、そのすべてが私にとってかけがえのない財産となっています。今では、入会以前に感じていた不安が消え、これからどんな困難が来ようとも乗り越えていけるという強い自信に変わっています。これも青年会議所で、何事においても誰かが起こす変化を待つのではなく、自ら積極的に行動を起こしていくことが大事であるということを学んだからです。私は与えられたすべての機会を前向きに捉え、自らを鍛えながら、「人々の心が繋がり希望が溢れるまち」の実現を目指し、まちづくり運動に取り組んでまいります。

独自の魅力を活かしたまちづくり
人口減少社会に直面したこの日本では、都市部への一極集中、地方衰退を改善するべく地方創生を掲げ、地方が主体となってまちづくりを行うことが求められています。関市には、約800年前より脈々と受け継がれた世界に誇る刃物や豊かな自然など多くの魅力ある資源があり、最近では根道神社(通称モネの池)や関善光寺を目当てに多くの人が訪れています。これらの資源には他にはない独自性があるからこそ人が訪れるのです。しかし、この地域に訪れる多くの人がわずかな滞在時間で他地域の目的地へ向かうという現状があるのも事実で、今ある独自の魅力がそれぞれ個別に存在しているだけで上手く活かしきれていないのではないかと感じます。
こうした現状を打開していくためにも、関市が持つ多くの独自の魅力を今以上に有効に活用していくことがまちの活性化のためには必要です。そのために、関市の更なる先を見据え独自の魅力を活かし、未来に繋がる形を見出すことで魅力あるまちを創っていきましょう。

安心に繋がるまちづくり
東日本や熊本で起きた大地震や全国各地で台風や豪雨といった自然災害が発生しています。多くの自然を有している関市も例外ではなく、河川の氾濫や土砂崩れなどの自然災害の発生が危惧されています。大きな災害であればあるほど、行政が全ての被災者を迅速に救助・支援することが難しくなります。災害が起こった際、人的被害を最小限にとどめるためには、自分の身は自分で守ることに対しては勿論、地域での人と人とが助け合うことに対してどれだけ準備ができているかが重要となってきます。なぜならば地域で人と人が助け合う準備ができていれば、安否確認や救出、避難誘導を少しでも早くできると考えるからです。
そのためにも、日頃から地域での人と人との繋がりを大切にし、互いに助け合える土壌を作っていかなければなりません。家族のように互いが助け合える安心に繋がるまちづくりをしていきましょう。

青少年の豊かな心の育成
子どもたちを取り巻く環境は、少子化や核家族化、情報化の進展により私たちが子どもの頃とは大きく変化しており、テレビゲームに時間を費やしたり、塾や習い事などの増加により地域との繋がりが希薄化し、人と関わる機会が減ってきていると感じます。子どもは家族や友達、周りの大人と関わり生活していく中で相手の立場に立って物事を考えられるようになるものです。人と関わる機会の減少が自分さえ良ければいいという利己的な考えを持った大人が増える要因になると考えます。
社会で生活する上で良好な人間関係を形成するためには、相手の立場に立って物事を考え、相手を思いやる気持ちや感謝の気持ちを育んでいくことが重要となります。なぜならば人は一人では生きて行けず、必ず誰かに支えられながら生きているからです。だからこそ心身ともに大きく成長する時期に、豊かな心の育成をしていくことが、未来を担う青少年には必要です。

青少年の強い心の育成
子どもの頃よりスポーツや武道を通して、礼儀や協調性を養うと共に、仲間と切磋琢磨し、その中で体を鍛え、真剣勝負を体験することが大人に成長する上で重要であると考えます。勝負をすれば勝つこともあれば、負けることもあるでしょう。しかし真剣に取り組むことができれば、次も勝ちたい、次こそは勝ちたいと強く思い再び立ち向かう勇気が育まれていくはずです。
子どもたちが人生の中で立ちはだかる高い壁に直面した時に諦めるのではなく、何事にも真剣に立ち向かうことができる強い心を持つ大人に成長していくために、素晴らしい経験ができる機会を提供します。

企業を牽引するリーダーとして
昨今の不安定な経済情勢の中、少子高齢化や労働者人口の不足による雇用問題など様々な問題が山積し、企業を取り巻く環境がますます厳しくなってきています。その中で、企業を存続し発展させていくことは、並大抵のことではありません。私たちは企業を牽引するリーダーとして現在の厳しい環境が良くなるのを待つのではなく、今一度、自社の状況を見つめ直し、行動を起こしていかなくてはなりません。
現在の企業が将来も安泰であるという保証はどこにもなく、現状維持の経営ではいずれ衰退していくことは明白です。先の読めない時代を生き抜くためにも、現状に満足することなく経営状況や外部環境、市場のニーズを把握し、状況に応じた創意工夫や改善努力を続けていくことが必要です。
さらに企業を経営していく上で、従業員の力は欠かすことができません。従業員が働きやすい職場環境を整え、どのような仕事であってもやりがいを感じることができれば、生産性の向上や離職率の低下に繋がります。だからこそ企業を牽引するリーダーとして従業員の会社に対する満足度を高めていくことが必要です。自らの企業を発展させることで、地域経済の活性化に繋げていきましょう。

魅力を伝える会員拡大
明るい豊かな社会の実現を目指して活動する私たちにとって、青年会議所運動を広く伝播していくことが必要不可欠です。そのためには、共に活動できる同志の力が必要となってきます。
会員拡大は単に組織を維持するために行うのではありません。一人でも多くのメンバーが日々の活動を通して様々なことを経験し個人の資質を高める「ひとづくり」を行い、「まちづくり」の力にしていくことが本来の目的であると考えます。活動を通して成長したメンバーがこのまちに大勢いる姿を想像してみてください。私たちのまちにより良い変革をもたらすことができるはずです。
まだ入会していない候補者にとっては、勧誘した人自身が青年会議所そのものであり、入会した目的がメンバーそれぞれ違うように、候補者それぞれが求めていることも違います。だからこそ入会したきっかけや目的、何を経験してどう成長したのかを伝えていくことが必要です。メンバー一人ひとりが会員拡大に対する意識を高め、青年会議所の魅力を多くの青年に伝えていくことで会員拡大に繋げていきましょう。

 

日本刀の原材料である玉鋼は不純物の少ない純度の高い鉄
しかし鉄は何度も鍛えなければ、脆く折れやすい
何度も鍛え上げることで強靭な鉄となる

私は想像する
メンバーが自らを鍛える姿を

私は熱望する
メンバーが強く鍛え上げられた姿を

責任世代である私たちが無限の可能性のある青年会議所という学び舎で、想いを持って真剣に活動することで自らを鍛え、そして幾度となく鍛え上げられた個性豊かなメンバーの力を組み合わせることで組織は強靭なものとなる。
60年間明るい豊かな社会の実現に向けて活動されてきた先輩諸兄の想いを継承し、人々のため、まちのため、そして未来のために変わりゆく時代の中でも変わらない志を胸に抱き、メンバーの力を結集し、私たちのまちの未来を切り開いていきましょう。

 

 

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