2019年度理事長 小島 祐治

 

はじめに

平成が終わり新たな時代を迎えようとしています。バブルの崩壊から市場は縮小し、失われた20年ともいわれる低成長期を経験した平成。その時代を生きてきた私は、家業である不動産業を営み、父からは「不動産業はまちをつくる仕事である」と教わりました。やりがいを感じ仕事に打ち込んできましたが、家族で経営している小さな会社の中で自身の将来に不安を感じるようになり、能力を高め、他業種の方との関わり合いを増やし、自身を成長させたいと思っていたところに関青年会議所との出会いがありました。視野が狭く目先のことしか考えられなかった私が、関青年会議所で活動をしていく中で、自身の立ち振る舞いや人との接し方、事業をどのように組み立てていくかを学び、人のために懸命に動くことができる人たちと出会い、共に活動する中から多くのことを経験してきました。自らが行動し、まちのために動くことが大切であると教えてくれたのは関青年会議所です。

青年会議所では自己成長の機会、やりがいや達成感を様々な人との繋がりから得ることができます。本年度は人との繋がり、地域との繋がりを大切に自ら率先して行動し、仲間と共に青年会議所の活動をやり遂げてまいります。まちを思う青年の活動をまち全体に広げ、変革を与えていくことが私たち関青年会議所の使命であります。歴史が大きく変わるこの時代に関青年会議所の理事長として新たな一歩を踏み出せることに誇りと責任を感じ、関市を未来へ繋いでまいります。

人と人の繋がりが創るまち

日本の地域社会では、10年ほど前から地域において人と人との繋がりの希薄化が問題視され、無縁社会という言葉が使われるようになりました。関市もプライバシーへの配慮や個人情報への意識の高まりから他人に干渉しない傾向にあり、身近なコミュニティの中でさえ人と人との繋がりが薄くなりつつあります。現在の状況が続いていくと人や地域へ関わる機会が減少していき、今ある繋がりさえ維持できなくなってしまうのではないでしょうか。人との繋がりがなくなれば、自分だけ良ければいいという風潮が生まれ、人に無関心な社会となり、近所に住んでいる人もわからない、困ったときに助けを求めることもできない地域になってしまいます。私が子どもの頃は近所で遊ぶ子どもの横には温かく見守る大人の姿があり、時に叱られることもありましたが、地域の子どもを大切にしてくれていた人が周りに沢山いたように思います。今の私があるのは、そうした地域の人の支えがあったからです。私はそこから人を思いやることの大切さを教えてもらいました。人と関わることが、人を思いやる気持ちを生み、互いに支え合うことのできるより良いまちを作っていきます。人と人との繋がりを大切にし、思いやりの溢れるまちを創っていきましょう。

まちを愛する心

日本では、地方から三大都市への人口流出が問題となっており、私たちの住む関市も例外ではなく、今日では90,000人を割る人口になりました。このまま人口流出が続いていけば、関市の魅力を伝えることのできる人が減り、まちの活力が失われてしまいます。魅力を伝える人を増やし活力のあるまちにしていくためには、一人でも多くの市民が郷土を愛する心を持つことが大切です。関市には古くから続く伝統産業や多くの自然と歴史があり、この素晴らしい魅力に今一度目を向け身近に感じることができれば人々がまちを愛する心を育むことができるのではないでしょうか。まちを愛する人は、このまちに住んでいたい、まちを良くしていきたいという思いを持ち、まちのために行動できる人になっていくと私は考えます。そのような市民を増やしていくことが人々の行き交うまちを作り、活力を生み出していきます。だからこそ、まちの魅力に触れて郷土を愛する心を持ち、まちのために動ける人を増やしていきましょう。

青少年の輝く未来のために

近年、情報化の進展、グローバル化などの社会の変化によって、未来を担う子どもたちを取り巻く家庭や地域の環境も変わりつつあります。情報が容易に手に入り便利になった反面、得られる情報量の膨大さと内容の多様さにより、子どもたちが自身で積極的に物事を考える力が低下していると言われています。考える力の低下は判断力や表現力など様々な能力の低下に繋がり、主体的に考えることが減少し夢や希望に満ちた未来へ歩むことを困難にするのではないでしょうか。目標や目的に対し、自分で考え行動することは達成への意志と努力する姿を生み出します。それはやがて子どもたちの自信に繋がり、その自信こそが強く生きる力となって夢や希望をもたらすのだと私は考えます。また、子どもたちの成長には私たち大人の責任もあることを忘れてはいけません。子どもたちと真摯に向き合い、子どもたちの可能性を拡げ、輝ける未来へと導いていくことが大切です。子どもたちには自信に満ちた輝ける未来を生きて欲しい。自らの意志を持って歩みを進め、希望溢れる未来を掴み取ることのできる青少年を育んでいきましょう。

子どもたちの豊かな心の育成

近年、小さな頃からゲームやスマートフォンで遊ぶ子どもが増え、子ども同士が直接触れ合うことや身体を動かして遊ぶ機会が減ってきています。特にゲームの中では相手の感情を汲み取ることが難しく、自分の都合で考えることが多くなり、身勝手な考えを持ってしまう子どもが増えてきていると感じます。また子ども同士直接触れ合うことが減少し、相手を思う気持ちを持つことが少なくなり、心の繋がりが希薄化しているのではないでしょうか。私は、子どもたちが社会性を持った大人になるために人を思いやる心を持つことが不可欠であると考えます。そのため、子ども同士が真剣に勝負をした際に得られる嬉しさや悔しさを肌で感じ、相手の痛みや辛さを知り、思いやる気持ち持ってもらうことが大切です。礼儀礼節を重んじるスポーツの中から例え負けても立ち向かうことのできる強い心と相手を敬う心を育むことができる経験が、子どもたちの大きな財産となるのです。子どもたちの豊かな心を育成するための機会を提供していきましょう。

時代を生き抜く経営者として

2020年に開催される東京五輪の経済効果もあり、日本の経済は緩やかに回復基調にあると言われています。関市においても刃物産業を中心とする景気回復の兆しが見られるものの、全ての企業にまでその兆しが届いているとは言えず、また少子高齢化、労働者人口の不足なども重なり、企業経営において不安な要素が多くあると考えます。企業の衰退は関係する人の生活を悪化させ、心を不安定にします。

私が働き始めた頃は、バブルの崩壊後の低迷した時代であったため、好景気というものを実感したことがありませんでした。不景気と毎日のようにニュースで言われ、閉塞感漂う世の中ではありましたが、企業を活性化させていかなくてはならないと常に感じていました。だからこそ、私たちが企業をけん引する者として既成概念に捕われずに企業の変革に挑戦していく精神を持つ人間力に満ちた青年経済人となることが求められます。経営者は強い意思を持ち、現代の急速に変わっていく経済状況や技術の進歩を的確に捉え、それぞれの企業の諸問題を解決に導いていかなければなりません。個々の経営資質を高め、先を見据える経営感覚を身につけましょう。

また、経済の成熟化、グローバル化により企業には変化への対応力が求められるようになっています。変化に対応するということは社会が求めている価値を提供することに他なりません。時代のニーズに合った価値を提供し社会に貢献していくことが経営者として果たすべき役割だと私は考えます。より大きな力を生み出すことができるのは組織が持つ強みですが、日々の業務をこなす余り変化への対応に目を向ける時間の取れない企業も多く、対応が遅れると企業にとって取り返しのつかない事態へと発展する可能性があります。企業をより発展させていくためには、経営者が能力を高めることはもちろん、組織が一丸となり変化に対応できる体制を作る必要があります。組織を作っていくのは人であり、同じ方向を向いた人の集まりが力強い組織となっていきます。そのためには、人と向き合い信頼関係を作り想いを共有していくことが重要です。企業の成るべき将来像を描くことのできる経営者となり組織力を高めていきましょう。

まちの未来のための会員拡大

私たちは「明るい豊かな社会の実現」に向け、地域に根差した運動を展開していくため、多くの仲間が必要です。一人でも多くのまちを想う仲間が増えることで青年会議所運動を広く伝えることができます。会員の拡大をしていくためには、関青年会議所にいる自身がどのような成長をしてきたのかを語る必要があります。自身の成長を語ることは、関青年会議所の魅力を語ることとなります。一人ひとりが感じる魅力を素直に伝え共感してもらうことが、まちをつくる仲間を増やしていくことに繋がります。

そして、多くのメンバーで活動をすることは、自身を見直すきっかけや新たな視点の発見があり、メンバーの成長に繋がります。「青年会議所の会員は40歳まで」という限られた期間の中で切磋琢磨し築かれた人間関係は、容易に解けない絆となりまちを支えていきます。私たちは一人でも多くのメンバーでまちづくりに取り組むことが、より成果を出せるということを今一度認識しなければなりません。そのために私が覚悟を持ち率先して行動で示していきます。当事者意識を持ち仲間を増やしていきましょう。

結びに

「人は人によって磨かれる」

関青年会議所は、自身が学び、成長することのできる機会を多く有しています。その成長は共に悩み、共に行動し、共に喜びを分かち合うことのできる仲間がいてこそ得られるものです。成長への過程は楽な道ばかりではありません。時に苦しいときもあるかもしれませんが、そんなときこそ周りを見てください。必ず助けてくれる仲間がいます。関青年会議所の一員であることに誇りと責任をもち、仲間と共に挑戦しやり遂げることで、一人の努力では得ることのできない大きな達成感を生み、その経験は今後の人生にとってかけがえのないものとなるはずです。

若さあふれる私たち青年が輝かなくては、地域は輝かない。そのような気概をもって率先してまちづくり運動に取り組み、次の世代へと繋いでいきます。仲間と共に情熱をもって何事にも挑戦し、仲間を信じ、支え合いながらも強い志を持って今と未来を繋ぐために私たちは職務を全うします。この運動の先にある希望溢れるまちの未来を目指して。

 

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